2008年8月10日

178.耐塩ピン碍子による引き通し電柱!!(構内用にて)・高圧ピンがいしの種類の説明付き!

2019年9月8日追記:ネット検索で、「高圧ピン碍子の種類」でこの記事がよくヒットし続けているので、ここでは高圧ピンがいしの種類についてもおまけとして述べよう。
(なお、「高圧がいし」の種類についてまとめたページについては、私が別で管理しているホームページにあり。

高圧ピンがいしの種類については、ざっと振り分けて、普通の内陸で使われるものと塩害地域で使われる耐塩高圧ピンがいし(当サイトでは、耐塩ピンがいしと略称)の2種類がある。


普通の高圧ピンがいしの例
全国津々浦々
耐塩ピンがいしは、充電部と接地部との距離(表面漏れ距離)が長く設計されている。なお、内部は深溝構造

前者の普通の高圧ピンがいしについては、過去には配電電圧3300V用の支持用として、大きな傘つぼみ形状をした高圧1号ピンがいしと、かまぼこのような形状をした高圧2号ピンがいし(これは主に、戦時中に軍用施設で使われていたとの情報があり。その理由は、形状が至って容易なつくりであったため)、そして、現代主流の高圧ピンがいしについても、大、小の2種類があったが、その内の小については、同じく3300V用の支持用として使われていたようである。
今は小のものについては、使われていない。

現代の「高圧ピンがいし 大」

昔使われていた、「高圧ピンがいし 小」のもの
こちらの知名度は極めて少ない。
外で見かけたのもまだ1箇所しかない。

※「高圧ピンがいし 大」と「高圧ピンがいし 小」のものとでは、わずかな差あり。


そして、後者の耐塩ピンがいしについては、細かな形状の種類を述べれば、複数種類があり、地方によって使われている規格や形状もざまざまある。

こちらは主に、東京電力管内で普及している
特にヒダは作らず単純に表面漏れ距離を長くした仕様の耐塩ピンがいし
こちらは主に、北海道電力管内で普及している耐塩ピンがいし
その他諸々
なお、東京電力管内では、昭和35年前後に
千葉だけでの使用を制定していた旧型の耐塩ピンがいしとなっている。
一方こちらは、関西電力仕様の裾広がり仕様の耐塩ピンがいし
裾広がり形状にすることで、やや表面漏れ距離を稼いでいる。
なお関東地方では、京成電鉄で見かけている。

ヒダを2重にし、充電部と接地部の距離(表面漏れ距離)を稼いだ仕様の耐塩ピンがいし


その中で、以下で紹介のものは、主に東京電力管内で使われている耐塩ピンがいしの例となる。
なお、今回は、電力会社が管轄しない構内用配電線での確認となっているので、そこは注意願いたい。↓


以下より2008年執筆
(写真については、最近画像の無断転載が多いので、転載防止として、文字入れバージョンに差し換えさせて頂く。)



工場内を通っている構内用配電設備にて!耐塩ピンがいしによる引き通しの構内用電柱発見!!

東電側の配電線から引き込んだ後に、構内用の高圧線を立ち上げているのかと思いますが、そのケーブルヘッドの取り付け位置は、高圧線にかなり近めです!

それでこちらは、ちょっと電線の本数も多い!


というのは、下段の低圧線の量ですね!
なんと、9本も通っています。
そこにはそれぞれ、低圧電灯線と低圧動力線が合わさって通っているのかと思います。


続いて、こちらは2本目の構内用電柱です。
個人的に、耐塩ピン碍子による引き通し構内用電柱を見たのは、この日が初めてです。

耐塩高圧ピン碍子は綺麗に並んでいますが、下段の低圧ピン碍子は不均等配列となっています。



続いてこちらが3本目の構内用電柱ですが、ここで低圧は建物へ引き込み!



その後は、低圧本線がなくなったのですっきりしています。


そして最後に、ケーブルヘッド付きの構内用引き下げ柱です。
ピン碍子が引き通しの電柱
ピン碍子が引き通しの電柱 2