1970年に入った頃より、避雷対策として登場した架空地線(がくうちせん)
場合によってはこれを1本以上張っているところがあります。
(数年程前にも当ブログにその写真をアップしましたが、今回もまた安曇幹線の撮影時に発見し、折角撮影したので掲載したいと思います。)
この場合、1本だけ張られている時は架空地線というのが正しい呼び名なのだろうが、2本以上これが張ってある時は遮蔽線という呼び方が正しいのだそう。
まぁ、通常では、送電線からのコロナ放電対策として、送電線の下を通る配電線にはよく(とは言っても、古いものでも結構見かけることがある。電話線だけが通る電信柱上にも張る場合があるようだ。)2本や3本の遮蔽線を張るタイプを見かけます。
ところが、埼玉県の飯能市内では、特に配電線の上に送電線が通過するわけでもないのに、国道299号線沿いとか、奥武蔵グリーンラインでは、長距離にわたって遮蔽線を張っているところがあります。
まずは手始めに、折角なので、同日撮影しに行ってきた安曇幹線の写真を数枚程アップしておきます。
まぁ、今回は2年前に撮り逃していた区間の撮影に行ったわけですわ
今後は完全にこの区間もなくなろうとしているようですから(2015年版ストリートビューで小鹿野にある新秩父開閉所の北東側ですが、丁度そこから東側にむけて残っていた安曇幹線が撤去されている光景を見ました。)
手前側から安曇幹線360号 359号鉄塔となります。
詳細はHPの
こちらに掲載中
そして、その帰り道・・・
普段は古いものでよく見かける鳥居型ですが、天辺に乗っかっている腕金が少し長いです。
見つけました。
そう、山道で特に配電線の上部に送電線が通過するわけでもないのに、2本の遮蔽線を張っている区間が!(まぁ、この電柱の左側には丁度、安曇幹線360号鉄塔があるので、こちらについては何も言えないが・・・安曇幹線の送電線から離れても、2本の遮蔽線を張っている区間がある。)
木々が生い茂って配電線側にかからないようにしているのかもしれないが
個人的な直感としては、「山は夕立ちが多いから雷対策も少し補強したんだろうか?」という感じです。
でも、今はこれよりももっと頑丈そうな避雷装置が登場しています。
2本の遮蔽線はしっかりと両端にて、赤の接地線(アース線)によって接地されているのが確認できます。
腕金は綺麗で柱自体もまだまだそこまで古くはなさそう。
建柱年を確認してみると、1999年(平成11年)2月とマジックで書かれているのが見えます。
山は誰もいないので撮りやすいです。^^
正面からももう数枚程
高圧用のD型腕金は最小サイズです。
このD型腕金の登場は90年代の後半頃だったかな
奥武蔵グリーンライン沿いでは、2本の遮蔽線を張るタイプがこうして確認されましたが、奥武蔵グリーンラインから国道299号線沿いへ向かった林道では
通常通り、1本の架空地線を張るタイプもお見え!
唯1台のトランスが乗るごく普通のタイプです。
ということで、どうやら、全区間にしっかりと2本の遮蔽線を張っているわけではなさそう。
となると、何だろう?
とか思いながら山を下っていたら、またまた2本の遮蔽線を張る区間が登場!
今度は高圧用に長い高圧離隔装柱用腕金を使うタイプで、鉄筋コンクリート柱の頂部に少々長めの鳥居型を取り付けて、そこに2本の遮蔽線を張っています。
となると、やっぱり木々が配電線来ないようにしているのかな
ここもだ
それでもこちらは、低い木々は低圧配電線にかかってしまっています。
あら、となるとそういうわけではない?
さー山を少し下って国道299号線にたどり着きました。
ここにも先ほどの奥武蔵グリーンラインと同様に、2本の遮蔽線を張る区間がお見え!
がいしの配列が3:0になる場合は、直角型の鳥居型の腕金も高圧配電線の方へ張り出してます。
これは架空地線が1本の場合も同じですね
最上部に遮蔽線が2本、高圧配電線は2回線、何だか良い感じの構成です。w
がいしの配列が2:1になると、2本の遮蔽線の支持は今度は換わって、天辺がちょっと長めの鳥居型に換ってます。
先ほどの奥武蔵グリーンラインで見た最小サイズのD型腕金を使用する場合と同じ構成です。
力強そうで何だかこちらも良い感じ。